ファンダメンタル分析とは、経済の基礎的要因を分析することで、相場予測を行う手法です。
通貨を含めたあらゆる商品の価格は、需要と供給のバランスによって決まります。
需要が多く供給が少なければ、価格は上がります。
(買う人が多くて、品物が少なければ、価格は上がります。)

需要が少なく供給が多ければ、価格は下がります。
(買う人が少なくて、品物が多ければ、価格は下がります。)
ファンダメンタル分析とは、上記の需給のバランス、需給バランスに影響する事柄のデータを集め、分析することで、今後の相場予測を行います。
では、外国為替相場におけるファンダメンタル分析とは、どのようなことに注意すればいいのでしょうか?
外国為替相場の場合は、簡単に言ってしまえば「国力」ということになります。
 

▼ 国力の内訳

▼ 分析の考え方

 

経済力
・ 財政状態・・・財政状態は黒字か赤字か、今後の動向は?
・ 成長率・・・経済の成長度は、どの程度か?GDP(国内総生産)は?
・ 経常収支・・・国全体の貿易・投資の収支はどうか?
・ 個別企業の状態・・・基幹産業の個別企業の業績や買収等の資金移動の動き
・ 株価・・・株価の動きはどうか?
・ 金融システムの安定感・・・金融システム上に問題点はないか
・ その国の主要産品の価格・・・石油・金価格の動向は

政治力
・ 政権の安定度・・・政権は安定しているのか、しっかりした政策を取っているのか
・ 指導者の指導力・・・首相や大統領の政策は、指導力は
・ 国民の成熟度・・・民主主義社会として、義務と責任を果たしているのかどうか
・ 社会安定度・・・社会的に安定しているかどうか

軍事力
・軍備・・・軍事力の強さ
・敵対国の存在・・・戦争等の騒乱の可能性

などの様々な要因が絡み合って形成されています。
ただし、ここで大事なこととして、現在の国力を比較し、単純に強い国の通貨を買えばいいかというと違うということです。
価格は、需要と供給のバランスの均衡点であるというのが価格決定理論の根源です。
すなわち、現在の価格は、あらゆるファンダメンタル的要因・心理的要因を全て織り込んで成立しているということを忘れてはいけません。(一時的にファンダメンタルにそぐわない価格になった場合も、いずれ修正されます。)




ファンダメンタル分析を行う際には、主に2つのアプローチがあります。
1、 将来のファンダメンタルを予測する。
例えば、現在、日本の出生率は、先進国最低のため、将来的に経済力が落ち込むことが予想され、円安ドル高になるはずだ。


2、 ファンダメンタルの結果と価格との乖離を利用する。
例えば、現在の日本の経済力を分析すると為替レートは、130円でないとおかしい。
ところが、現在のレートは120円で推移している。実力相応に130円になるはずだ。
 

上記のようにファンダメンタルとは、いくつもの要素が複雑に絡み合って構成されています。
それでは、どのようにしてファンダメンタル分析手法を用いて為替予測を立てるのでしょうか?
答えは簡単です。それぞれの通貨(ないし、それぞれの国)には国ごとに特性があり注目を集めているタイムリーなテーマが存在しています。そこさえしっかりとおさえておけば問題はありません。

例えば判り易い例として、今の日本で考えると、主要テーマは「構造改革」ということになります。日本国内にいるとあたかも金融システムの問題や株価、財政赤字が焦点になっているような気になりがちですが、海外が一番注目しているのは「小泉改革」の行方なのです。こうしたポイントさえ抑えておけば大きく踏み外す事はありません。但し、その時々の主要テーマが何なのかを探り当てるには、相当に感度の良いアンテナを張り巡らしておかなければなりませんが、日々の情報収集の中で次第に感度が良くなって行きますので試していただきたいと思います。

もう一つファンダメンタルでの為替予測で注意を要する事は、常に相対的な評価が必要という事です。外国為替はあくまでも二つの通貨の組み合わせでレートが決まるわけですから、片方だけを注目しすぎると梯子をはずされます。常に「相対感」をもって相場動向を見極めなければなりません。
 

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